1.1 カタルーニャの道(Camino Catalán)を目指して
これまでサンティアゴ巡礼路の各ルートを歩いて来ましたが、昨年に歩いたアラゴンの道(Camino
Aragonés)が良かった事と帰国後に途中のサン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院と日本でも有名な
フランシスコ・ザビエルの生誕地であるザビエル城を見逃したのが残念に思っておりました。
また、スペインでも有数の観光地となっているモンセラット修道院へも行ってみたいと思いカタルー
ニャの道(Camino Catalán)を歩く事にしました。
カタルーニャの道(Camino Catalán)にはサン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院を通る巡礼路と
サラゴサ(Zaragoza)を通るルートがありますが上記の理由から迷わずサン・ファン・デ・ラ・ペー
ニャ修道院を通る巡礼路(Por San Juan de la Peña)を選びました。
カタルーニャの道(Camino Catalán)は巡礼者は少なく大変静かな巡礼路歩きが出来ました。
(1組のオランダ人夫婦+犬と一緒にモンセラットをスタートしましたが途中で彼らが遅れたこともあり
数日はアルベルゲも一人で泊まる状況でした。)
モンセラット(Montserrat)までのルートにはビック(Vic)、マンレサ(Manresa)等のロマネスク
等の中世美術が残る街がある為、当初はビック(Vic)から歩く予定でしたが日程の関係からマンレサ
(Manresa)をスタートにしてモンセラットの山を登る事にしました。
観光客で賑わうモンセラットの山を下るとウエスカ(Huesca)まではブドウ、リンゴ、ナシ等の果樹園
やトウモロコシ畑の続く単調な道でしたが、ウエスカ(Huesca)からは一転して山道になり2日間の食料
を担いで歩く状況になりました。
しかしながら途中の山道では素晴らしい景観が広がり静かなサン・ファン・デ・ラ・ペーニャ修道院も
思ったよりも小さかったのですが大変印象的でした。
1.2 歩いた行程と宿泊先
2015年8月25日に成田を出発し、8月27日にモンセラット山麓のMonistrol de Montserratの鉄道駅
から歩き始め9月14日にパンプローナ(Pamplona)へ到着しました。
(アルティエダ(Artieda)で一日休養)
歩いた行程(Etapa)と宿泊先について下記に示します。
「Camino Catalá por San Juan de la Peña 行程 実績」
パンプローナ(Pamplona)からはバスでコルーニャ(Corña)へ移動し、イギリス人の道(Camino
Ingres)を歩いて9月22日(月)にサンティアゴ・デ・コンポステーラへ着きました。
2.1 成田空港からバルセロナ(Barcelona)空港へ
2015年8月25日(火) 晴れ
成田空港(NRT)KL0862 10:30 - アムステルダム・スキポール空港(AMS)15:00
アムステルダム・スキポール空港(KL1675)16:55 -
バルセロナ・プラット空港(BCN) 19:05
今年は全日空(ANA)のチケットが高かったので、初めてオランダ航空で出発する。
アムステルダムのスキポール空港は広く夕方のバルセロナ行きの窓から見たオランダの海岸線は美し
い眺めでした。
何時かオランダへも立ち寄ってみたいと思う。バルセロナは19:00ではまだ十分に明るくホテルに荷物
を預けて軽く食事をして寝ようかと思ったが時差ぼけの為か寝付く事が出来ませんでした。
成田空港・搭乗機 | アムステルダム・スキポール空港 |
*この行程の注意事項、コメント
① 夜行便で乗り継ぎ午前中にバルセロナへ到着すれば、その日のうちにモンセラットへ行く事も
可能と思いますが、モンセラットへ登る登山電車の最終時刻に注意が必要です。
② バルセロナにはフランス人の道の様なアルベルゲ(Albergue)はありません。安く泊まるので
あればArbergue Juvenirが数件あります。 下記のサイトを参考にして下さい。
Albergue.com Barcelona
2.2 ビック(Vic)からマンレサ(Manresa)へ
8月26日(水) 晴れ
Barcelona Pl.Catarunya(08:27)= Vic(09:54)/ Vic(14:00)= Manresa (15:20)
カタルーニャの道(Camino Catalán)の準備の為、ガイドブックを見ているとアルル(Arles)
からモンセラット(Montserrat)の途中にジローナ(Girona)、ビック(Vic)及びマンレサ
(Manresa)等の現在でも巡礼路の雰囲気が残る街がある。
特にビック(Vic)にはカタルーニャの中世美術のコレクションが展示されている司教区美術館
(Museo Episcopal)やカテドラル(Catedral)があり旧市街は見所もあるとの事なので、この
街を見てマンレサ(Manresa)から歩く事にしました。
(ビック(Vic)から歩く事も考えたが、マンレサ(Manresa)までの45Kmに適当な宿泊場所が
無くマンレサ(Manresa)からが適当と考えました。)
バルセロナ(Barcelona)市内からビック(Vic)までは電車(Renfe・Cercanias R3)で約1時
間半でカタルーニャ広場の駅から乗車しました。
ビック(Vic)の駅で下車して、マンレサ(Manresa)までのバスの時刻を確認して、司教区美術館
(Museo Episcopal)を見に行く。カタルーニャ美術のロマネスク、ゴシックの美術品の展示数は
多く見ごたえがありました。カテドラル(Catedral)は1781年~1803年に建設されたとの事で
ネオ・クラッシック様式です。内部にはフレスコ画も残っていました。
旧市街にはローマ神殿もあり、この街の歴史を物語っています。
昼食を済ませてマンレサ(Manresa)までバスで向かいましたが途中の高速道路は、高原状の山中
で歩くには標高差もあると思われます。
マンレサ(manresa)ではAlbergue Juvenirに泊まりましたが、宿泊客は同じくここからカタル
ーニャの道(Camino Cataán)を歩く地元のスペイン人(Y君)と私のみでした。
Y君はGironaの出身で今回はサラゴサ経由で歩くとの事です。
昨夜は眠れなかったので今日はぐっすり眠りたいと考えていたら、なんと今日はお祭り(Fiesta)
との事でアルベルゲ前の広場で午前2:00頃までドラムを叩いて大変な賑わいで、ついにこの日も
眠る事が出来ませんでした。
司教区美術館(Museo Epicopal) | 聖マルティネスの前飾り |
カテドラル(Catedral) | ローマ神殿 |
① バルセロナ市内からビック(Vic)までの電車は通勤時間に30分/本と頻繁にあります。
ビック(Vic)からマンレサ(Manresa)まではバス便となります。
バルセロナ(Barcelona)からマンレサ(Manresa)へも電車(Cercanias R4)で約1時間半で
す。
② ビック(Vic)からマンレサ(Manresa)間の21.4Kmにエスタニー(L'Estany)が区間
(Etapa)となっており、ホテルがあるようですが巡礼者向きではありません。
2.3 マンレサ(Manresa)からモンセラット修道院(Abadia de Montserrat)へ
8月27日(木) 快晴
4.5Km
Monresa(08:30)- Estacion de Monresa Alto(8:50)/
Estacion de Monresa Alto(10:15)= Monistrol de Montserrat (10:50)
- Abadia de Montserrat(14:10)
モンレサ(Monresa)のアルベルゲから直接歩くつもりであったが、昨夜も眠れす朝起きてもすっ
きりない。モンセラットの修道院までは25Kmで後半はモンセラット山への登りになるので全て歩く
のは厳しい気がするので無理をせず麓の村(Monistrol de Montserrat)まで行ってモンセラット
山を登る事にしました。
麓の村(Monistrol de Montserrat)までバスがあるようなので朝食を済ませてバス停に行き、
1時間程待ってバスに乗ろうとすると電車で行けと言われた。バス停の直ぐ傍に電車の駅があり路線
図を見ると4駅先が麓の村であり、急に予定を変更したこともあるが調査不足で失敗したと思いまし
た。
Monistrol de Montserratの駅に着くと登山電車へ乗り換える観光客で賑やかであったが、地元の
人と下車してモンセラット修道院への登りルートを確認する為に駅前で確認しました。
このルートは巡礼路ではありませんがトレッキングコース(GR-5)として整備されています。
ここから見上げるモンセラット山は標高差(約700m)もあり登降意欲を駆り立てる長めでした。
駅から橋を渡って住宅街の道を登り始めましたが、15分程度でサッカーグラウンドがありグラウン
ドの裏を迂回して自動車道路に出るとベンチがあり登り口となっていました。
暫く急な山道でしたが、一旦車の通れそうな林道へ出て再び急な登りになり上を見上げると登山電車
が時折登り下りしているのが見え周囲の景観も素晴らしくなってきました。
やがて上から排水を流す為か登山道脇にパイプが現れ、サンタコバ(Santa Coba)への道が見えて
くるとやがて登山電車の線路に沿って終点の駅前に着きました。
モンセラット修道院付近は大変な観光客で賑わっていましたが、事務所へ行ってアルベルゲの宿泊を
お願いするとオスピタレロ(Hospitalero)が親切に部屋まで案内してくれました。
シャワーを浴びて休憩してから修道院付近を散策しましたが、聖堂や博物館(Museo)は観光客が
並んでいたので遠慮しました。
暫くして4:30頃に昨夜一緒であったY君とサン・セバスティアン(San Sebastian)から走ってき
た自転
車の巡礼者が着きました。
7:30から聖堂でミサがあり有名な少年合唱団が聖歌を聞く事が出来ました。
夕食はオスピタレロ(Hospitalero)と皆で一緒にアルベルゲ内で食べながら話をして楽しい夜を
過ごす事が出来ました。
時差ボケには運動が一番良いとの事ですが、さすが今夜は静かで直ぐに寝付く事が出来ました。
麓の駅前からモンセラット山 | トレッキングコース(GR-5) |
登山電車を見上げる | 頂上近くの登山道 |
モンセラット修道院(聖堂) | モンセラット美術館・周辺 |
① モンセラット山を登る方は少ないかと思いますが、巡礼路はマンレサ(Manres)からモンセラッ
ト山の北側を登ります。モンセラット山は岩峰で何処から登っても同じような標高差(約750m)を
登る事に
なります。麓の駅前からはトレッキングコース(GR-5)として整備され、ハイキングに利用する人
は多いので問題はありません。
② バルセロナ(Barcelona)からモンセラット修道院(Abadia de Montserrat)までは登山電車
で麓の駅まで行きケーブルカー又は登山電車で登ります。(詳細は下段を参照)
③ アルベルゲは修道院の事務所へ受付を済ませると修道院脇の建物内にあるアルベルゲの部屋へ案内
してくれます。シャワー・トイレは共用、宿泊は€5-で自炊も可能です。受け付けは18:00までとの
事で注意が必要です。修道院の近隣にキャンピングサイトがありこちらを利用する巡礼者もいました
。また、レストラン・食料品を売る店も修道院の裏手にあります。
モンセラット(Montserrat) |
・モンセラット山(Montserrat) モンセラットはカタルーニャ語で「ギザギザな山」「のこぎり山」という意味です。 元々は湖であったところが古代の地殻変動により隆起、現在のような特徴的な形になったとの 事でイタリアのドロミテ山群を思わせる山容で最高峰は標高1238mです。 この奇岩はこの山塊に広がっておりケーブルカーに乗ってサン・ジュアン展望台まで行くことが 出来ます。また、山中には多くのトレッキングコースが整備されています。 ・モンセラット修道院(Abadia de Montserrat) モンセラット修道院(Abadia de Montserrat)は9世紀に聖堂が建設され、その後11世紀に ベネディクトゥス会の修道院が建設され、15世紀の初め頃にローマ教会から離れてベネディク ト派の聖地として発展してきました。 聖堂はスペイン独立戦争 (1808-1814)の際ナポレオン軍の砲撃により破壊され、現在の建物は 19~20世紀に再建されました。ゴシック様式とルネサンス様式の折衷の聖堂前のパティオは、 パワースポットと知られ、腕を広げて瞑想するとと不思議な力が蘇ると言われています。 この修道院が有名なのは「黒いマリア像」で880年に山の洞窟で羊飼いたちが発見し麓まで降ろ そうとしたところ動かなかったので、その場に聖堂を建て8世紀のイスラム教徒侵略の時は隠さ れていたと言い伝えられています。 また、聖堂でのミサでは少年合唱団(エスコラニア・モンセラット)が聖歌を歌う事でも有名 で多くの巡礼者や観光客が訪れています。 <参考サイト> モンセラット修道院 : Abadia de Montserrat バルセロナ・ウォーカー : Barcelona Walker イベロ・ツアー(Vol. 14 モンセッラト): IBERO TOUR <参考資料> スペイン・ロマネスクの道 鈴木孝寿著 筑摩書房 ・モンセラットへの行き方 バルセロナのスペイン広場からカタルーニャ鉄道(FCG)のR5"マンレサ行き"に乗車します。 モンセラットの麓からロープウェイ又は登山電車に乗ってモンセラット修道院へ登りますが 下車駅は下記の通り異なります。 ケーブルカーの場合:Montserrat-Aeriで下車して、ロープウェイで修道院前で約10分 登山電車の場合:Monistrol de Monsetrratで下車して、登山電車で約20分 <参考サイト> カタルーニャ鉄道(FCG) : R5 Barcelona Pl.Espanya-Manresa バルセロナ・ウォーカー : モンセラットの行き方 |
2.4 モンセラット修道院(Monasterio de Montserrat)からイグアラダ(Iguarada)へ
8月28日(金) 快晴
27.2Km <46,861歩>
Monasterio de Montserrat(07:40)- Santa Cesilia(08:30)ー Coll de Maçna
(09:50)- St. Paul de Guadia(10:30)ー Castelloli(12:00)ー Iguarada(14:30)
昨夜は修道院内のアルベルゲにオスピタレロ(Hospitalero)と3人の巡礼者で泊まったが設備も良く、
静かでぐっすり眠る事が出来ました。
6:30に起きて準備をしているとオスピタレロが外へ出てみろとと言うので、玄関先へ出てみると丁度
日の出で明るくなりかけていたが眼下は雲海で素晴らしい夜明けを見ることが出来ました。
修道院付近は観光客は誰もおらず修道院は束の間の静けさを取り戻している様でした。
朝食後にオスピタレロに別れを告げて修道院付近の写真を撮って歩き始めました。道は修道院の入口の
道路から直ぐに山側の巡礼路に入り修道院の石碑が並ぶ静かな道を下り始めます。
道路(BP-1103)に降りてそのまま道路を歩くと約1時間程度でSanta Cesiliaの教会へ着きます。
10世紀の建造と言われる古い聖堂の建物が残っており付近は公園になっていましたが、聖堂の内部へ
は入れませんでした。朝から快晴で道路からは終始東側に広大な景色が広がり快適です。
そのまま、道路を下って行くとモンセラット山の岩峰の上から人の声が聞こえてきましたが姿を見つけ
ることは出来ませんでした。この岩峰の上はトレッキングコースになっています。
そのまま、道路(BP-1103)を約6Km下って行くと道路(BP-1101)と交差する場所に出ますが、
ここを左折して数十メートル歩くと巡礼路が山道に入る道標があります。
やや登ってモンセラット山をすり替えると登山者用の駐車場で登山の準備をしているグループが見えま
した。ここから巡礼路は山道を下り、St. Pau de la Guárdiaの村を通過して50分程でCastelloliの
村へ着き、ここにはBarもあったので昼食を取って休む事が出来ました。
午後になると日差しも強く暑くなってきましたが、イグアラダ(Iguarada)の街の手前は工業団地の
脇を歩く道が続き初日の歩きでさすがに疲れてきました。
イグアラダ(Iguarada)のアルベルゲは町の入口から30分程度で電話をして利用の確認をしましたが
カギを借りる場所が分からず30分程度探すことになりました。(注意事項参照)
私が最初に着いてカギを借りましたが夕方に犬を連れたオランダ人夫婦と自転車巡礼の夫婦の5人で
泊まりましたが、アルベルゲ脇に警察(Poricia Local)の詰め所があり夜に一度見回りに来ました。
モンセラットからの日の出 | 早朝の修道院 |
Ermita de Santa Cecilia | モンセラット山を振り返って |
Castelloliの村内 | Igresia El asilo del Sant Crist(Iguarada) |
① モンセラット修道院から道路(BP-1103)の終点、Coll de Maçnaまでは殆んど道路を歩くがその
後はIguaradaの手前まで山道・林道コースになっています。巡礼路の標識も十分で迷う個所はあり
ません。
② イグアラダ(Iguarada)のアルベルゲ(Albergue de Iguarada)のカギは下記で借用します。
アルベルゲの場所:プラド・デ・ラ・リバ通り (c/Prat de la Riba, 47)
警察詰所(Policia Local)の隣の建物 連絡Tel 983 04 55 15
アルベルゲ受付(カギの借用場所): アルベルゲから北のガウディ通り(C732)を渡った所の
Centre de Dia Pare Vilaseca(介護病院・住宅)が受付になっています。
2.5 イグアラダ(Iguarada)からラ・パナディージャ(La Panadella)へ
8月29日(土) 快晴
22.0Km <36,400歩>
Igarada(06:40)- Ermita Saint Jame Sesoliveres(07:25)ー Saint Genis (07:50)
- Jorba(08:15)ー Santa Maria del Cami(10:25)ー La Panadella(12:20)
昨日も午後は厚いので早めにアルベルゲを出発する。アルベルゲから200m程度で巡礼路へ戻り住宅
街をやや登って行くと公園の様な場所に小さな古い教会(Ermita Saint James Sesoliveres)が
建っていた。この教会は1059年に建設されサンティアゴ巡礼にとって主要な場所であったとの事
です。
道路を迂回した村道の巡礼路を暫く歩くとSaint Genisの村を通るがこにはバル等はありません。
やや歩いて道路(N11a)に出てJorbaに着くと商店街がありバルがあったので、コーヒーを飲んで
休んでいるとオランダ人夫婦が遅れて来て一緒に休む。周りの人はカタルーニャ語で話しているので
内容は分かりません。
ここにはアルベルゲがありますが道路沿いではない様で気が付きませんでした。
ここから直ぐに高速道路(A2)に沿った道路(N11a)を歩く事になり自転車道路と兼用になってい
る個所もあるがアスファルトで次第に気温も上がってきて歩くのも辛くなってきました。週末の為が
時折サイクリングの人が走り抜けていきます。
道は次第に登り坂になり、小さな古い教会(Ermita Románica)のあるSanta Maria de Camiの
村を通過しましたがここにもBarは無く、一旦プラタナスの街路樹の道に出てややほっとしましたが
、500m程度で再びアスファルトの登り坂になりました。
道路脇には河も流れ涼しげな林間がありましたが道路には街路樹等は無くなかなか登り坂の終点が
見えませんでしたが12時を過ぎてやっと峠のレストランやガソリンスタンド等が並ぶラ・パナディ
ージャ(La Panadella)に着きました。
ここにはアルベルゲは無く、ホスタルが2件ありますが電話で予約が出来たHostal Bayoneに泊ま
る事にしました。ガソリンスタンド、売店、レストランを併設しており24時間営業との事ですが
ホスタルに泊まる人は少ないようです。
やや早めに着きましたが、この先のアルベルゲがあるセルベラ(Cervera)までは約15Kmあるの
でここまでが今日の区間(Etapa)になります。
これまで3日間はボカディージョ等を買ってきて食事を済ませて来たので、やっとゆっくりホスタル
で定食を食べて午後はゆっくり休みました。
Ermita Saint James Sesoliveres | Jorbaの街並み |
道路(N11a)沿いのセンダ | Ermita Románica |
Porquerissesの村 | La Panadella |
*この行程の注意事項、コメント
① Jorbaを過ぎるとほとんどアスファルトの道路沿いになります。Santa Maria del Cami付近まで
は自転車道と兼用のセンダになっていますが、その後は街路樹も無い道路を歩く事になりますが交通
量は多くありません。
② 道標等は完備され特に問題はありません。
2.6 ラ・パナディージャ(La Panadella)からタラガ(Tárrega)へ
8月30日(日) 快晴
28.0Km <49,063歩>
La Panadella(06:30)- Saint Antoli I Vilanova(07:30)ー Hostalets (08:00)ー
Sant Pere del Arquells(08:35)ー Cervera(10:20)ー El Talladell(13:15)
ー Tárrega(13:30)
今朝も早朝の暗いうちにホスタルを出発する。ホスタル脇の駐車場から村道に入るが道はまだ暗闇で
したが月明かりが残っていました。今日は昨日の様なアスファルトの道でなく畑の中を歩きつづけ、
道路に出てやっと薄明るくなってきてSaint Antoli I Vilanovaの村に着きましたが村の中はまだ起き
出している村人もいませんでした。この村にも中世からの教会(Igresia de Santa Maria)が残って
おり古き巡礼路をしのばせます。
オスタレス(Hostalets)の村から暫く歩くと再び村道の巡礼路に入り山沿いの道を迂回していくと
前方の丘の上にセベラ(Cevera)の街が見えてきました。
前方の丘の上の街並みには教会の塔も見えて素晴らしい景観ですがが街までの登りは標高差もあります
街の入口の手前で河を渡り巡礼路は街を迂回する様に急勾配の坂を登って行き街中に入るとセベラ大学
前の広場に出ました。広場にはお祭りの飾りつけを撤去している方が何人かいましたが、この街は8月
最終土曜日にAquelarre(魔女の安息日)と言う火・魔女・悪魔のお祭りが開催されています。
町の通りには魔女や骸骨の人形などがまだ飾られていましたが昨夜は大変な人出であったようです。
セベラ大学(Univercidad Cervera)は1717年にヘリーペ5世により建設されたバロック様式の歴史
的な建物で、街の西側に立つカテドラル(La Igresia de Santa Maria)は13世紀から15世紀にかけ
て建設されロマネスク様式のファサードや黒いマリア象などが見所です。
大学前のBarで休みボカディージョを買って細い街の通りに入るとまるで中世の街をそのままにした
面影が十分に残っていました。
残念ながら時間も無いのでカテドラルを見学する事が出来ませんでしたが、何時かパラドールもある
この街へ再度訪問してみたいと思いました。
教会の裏手の坂道を下って畑の中の巡礼路に出ましたが、今日も午後になると日差しが強く街路樹も
休む場所も無い道をひたすら歩き、途中の木の下でボカディージョを食べていると前方から巡礼者が
来ました。どこから来たのか聞くとサンティアゴからの戻りとの事です。
セベラ(Cevera)から約12kmでいい加減いやになったころやっとタラガ(Tárraga)の街へ着きま
したがここも今日はお祭りとの事でアルベルゲ(Residencia Ca n'Aleix)もお休みとの事でした。
しかたなく街の人にホスタル・ホテル聞いてを探し、やっと見つかって部屋に落ち着きましたがホテル
の前に中華レストランがあり久しぶりにチャーハンを食る事が出来ました。
タラガ(Tárraga)もジェイダ(Lleida)州2番目の大きな街で17世紀のゴシック様式の教会
(Igresia de San Antonio、Igresia del Carmen)等が残っています。
この街からカタルーニャの道(Camino Catalán)はサラゴサ経由の道(Por Zaragoza)とサン・
ファン・デ・ラ・ペーニャ(Por San Juan de la Peña)が分かれます。
Igresia Románica Saint Jaume | セベラ(Cevera) |
Univercidad Cervera | Ceveraの通り |
La Igresia de Santa Maria | タラガ(Tárrega)へ向かう |
*この行程の注意事項、コメント
① ラ・パナディージャ(La Panadella)からオスタレス(Hostalets)までは緩やかな下りで、
セベラ(Cevera)の街へやや登るが、全体的には大きな標高差は無いが区間距離は28Kmと長い。
② セベラ(Cevera)の街以外に途中でBarや商店(Tienda)等はありませんでした。
③ 道標なども完備しており問題はありません。
2.7 タラガ(Tárrega)からリンヨラ(Linyola)へ
8月31日(月) 快晴
24.0Km <39,200歩>
Tárrega(06:30)- Autvia A2(08:55)ー Tomobous (08:55)ー La Fullola(09:45)
ー El Castell del Ramei(10:40)ー Linyola(12:45)
昨夜もオランダ人夫妻と一緒のホテルに泊まったので、今朝は同じ時刻に出発するが市内はまだ暗く
昨日に確認した巡礼路の通りへ戻る。彼らはスマホで市内のルートを確認しながら歩いている。
Siglo XX通りから鉄道の線路を渡り住宅街を通って市内を離れると平原に朝日を見ることが出来た
が今日も暑くなりそうだが巡礼路は道路(C-53)に並行した畑の農道でアスファルトでないのは
嬉しい。
Tomobousの村に近くなると用水路引かれており、がこれまでと違ってトウモロコシ・リンゴ・
ナシ等、収穫期を迎えた畑が広がっている。広いリンゴ園やナシ園ではトラックターや多くの収穫を
する作業者が働いて活気がある。
Tomobousの村にBarがあるかと期待したが何も無い様で教会(Igresia parroquial de Santa
Maria)横の広場で休憩した。
再び畑の農道を歩いて行くと一旦道路(C-53)に出てLa Fuliolaの村に入る。ここでやっとBarが
あったのでコーヒーを飲んで休んでいると黒人の作業者も来ていて中国人かと聞かれた。彼らは出稼
ぎの労働者の様である。
歩き出すと直ぐにBoldúの村に入り、小さな古い教会(Igresia dela Asuncón)の脇を通過する。
再び広大な畑の中を歩き道路(LV-3344)を渡ると運河(Asequia segunda del Canal
Urgell)があり悠々と豊富な水量で流れている。ここから収穫間近の見事なブドウ畑が広がって
壮観です。
近くの作業者に聞くと来週に収穫との事で準備が始まっている様でした。
ブドウ畑の先に1780年からワインの製造を行っているEl Castell del RameiのBodegaがありま
した。
工場や倉庫と思われる多くの建物が立ち並びレストランやBarも有るとの事ですが事務所付近以外
は人影もなく静まり返っていました。
構内の公園で暫く休憩して歩き始めると前方にリンヨラ(Linyola)の街が見えてきました。
リンヨラ(Linyola)は11世紀に建設されたLeida州の人口2,700人の街でAngel Guimera広場に
近い教会(Igresia Santa Maria)は16世紀のゴシック・ルネッサンス様式の建物で八角形の鐘楼
が特徴です。
道路(LP-3322)を横断して街へ入り今夜のホスタルを探しました。ここもアルベルゲは無いので
ネットの予約サイトで予約をしておきましたが、ホスタルへ行ってみると今日は工事中なのでチェッ
クインは午後4:00からにして欲しいと言われました。折角に早めに着いたのでシャワーを浴びてか
らと考えていましたが、仕方なく近くのレストランで昼食を取り公園で昼寝をして時間をつぶしま
した。
やっとホスタルの部屋に入り久しぶりにテレビの天気予報を見るとこれから天気は下り坂で数日は
雨模様になるようです。
リンゴ畑が広がる巡礼路 | フジョーラ(La Fullola) |
Asequia segunda del Canal Urgell | 収穫前のブドウ畑 |
Bodega Castell del Ramei | リンヨラ(Linyola)の教会 |
*この行程の注意事項、コメント
① この区間の巡礼路は殆んど平坦で農道を歩く事になるので特に問題は無い。
Tárregaの街に着くとサラゴサ経由(Por Zaragoza)とサン・ファン・デ・ラ・ペーニャ経由
(Por San Juan de la Peña)の分岐の道標があるが市内を出る個所は前日に確認しておいた方が
良いでしょう。
② リンヨラ(Linyola)にはアルベルゲは無いのでホスタル・ホテルを探すことになる。ネットの
ホテル予約サイトではアパートメント・ホテルがあるが部屋数も少ないので宿泊の予約は早めに
する必要があります。
2.8 リンヨラ(Linyola)からアルゲリ(Algerri)へ
9月 1日(火) 薄曇り
29.8Km <49,100歩>
Linyola(06:25)- Canal de Sió(07:40)ー Balaguer (09:20)
ー Castelló de Farfanya(11:40)ー Algerri(13:50)
昨日はホテルの工事で泊り客は私だけだった様で朝出るときに、レストランも閉鎖だったとの事で
親切にディスカウントしてくれた。昨夜は雷雨があったので道も濡れていて朝の空気が涼しく気持ち
が良い。
街からの道を抜けると農道になったが前日の様にリンゴやナシ等の畑は少なくトウモロコシ畑が
1時間半程度で運河(Canal de Sió)があったが豊富な水量で流れている。カタルーニャ州は
アラゴンの麓から多くの運河がひかれている。
単調な田舎道を歩き、道路(C-13、C-53)の立体交差の下を通過してL'Hostal Nou i la
Codosaの街中を進み、鉄道線路を渡るとセグラ河(Riu Segre)の橋を渡ってバラゲル
(Baraguer)の市内に入ります。橋から望む高台には教会(Igresia Santa Maria)の鐘楼が見え
ます。
バラゲル(Baraguer)は人口約17,000の比較的大きな街で9世紀頃川沿いに要塞が築かれサラゴサ
との交流地点として発展したと言われています。
セグラ河(Riu Segre)を渡った所に旧市街があり先日のセベラ(Cevera)と同様に古い街並みが
残っていました。巡礼路は川沿いの旧市街の商店街の終わった所から右手に曲がり街の高台へ登って
行きます。
途中で教会(Igresia Santa Maria)の建物が近づいて来ましたが教会の前には出ずに街を外れて
歩きます。
ここからは緑の無い平原が広がるやや登りの単調な道をCastelló de Fantayaまで約8km(2時間
)を歩きましたが途中にはBarも村もありませんでした。
並行する道路(C-26)沿いに出るとやっとCastelló de Fantayaの街が前方に見えてきました。
Castelló de Fantayaにはその名前の通り町の裏手の高台に巨大な遺跡の城(Castelló de
Fantaya)が残っています。この城の歴史はローマ時代の要塞から始まるとの事で9世紀のBanu
Quasiの時代にはバルセロナ(Barcelona)とウルジェイ(Urgei)の街のキリスト教徒を守るため
に城が建設されたとの事ですが現在は廃墟になって中へは入れないとの事でした。
ここらから今夜の宿泊地のアルゲリ(Algeri)まで7.5kmあります。少し休んで再び単調な農道を
歩きやっと2時前にアルゲリ(Algeri)の教会の隣にあるアルベルゲに着きました。
今日は直ぐ横にある村の事務所で鍵を借りることが出来たので荷物を置いて道路(C-26)沿いの
ガソリンスタンドに併設しているレストランへ遅い昼食を食べに行きました。
夕方に一緒に歩いているオランダ人夫妻が着きましたが連れている犬は小型犬ですが毎日よく歩いて
います。
今日の巡礼路は緩い登りでしたが約30Kmの距離がありさすがに疲れました。
Canal de Sió (運河) | バラゲル(Baraguer)の入口 |
バラゲル(Baraguer)の旧市街 | Castelló de Fantayaへの道 |
Castelló de Fantaya遺跡 | アルゲリ(Algeri)の村 |
*この行程の注意事項、コメント
① 巡礼路はバラゲル(Baraguer)からやや登りになるが特に問題は無い。距離が長いのでリンヨラ
(Linyola)を早めに出発する事が望ましいと思います。
② バラゲル(Baraguer)にも公営(Municipal)のアルベルゲがあります。途中の街ではBar、
レストランが利用可能です。
2.8 アルゲリ(Algerri)からタマリテ・デ・リテラ(Tamarite de Litera)へ
9月 2日(水) 雨のち曇り
21.3Km <39,010歩>
Algerri(07:15)- Canal Argerri-Balaguer (08:05)ー Alfarás (09:00)
ー Canal Aragon Catarunya(09:40)ー Ermita de San Roc(11:35)
ー Tamarite de Litera(12:50)
朝起きて準備をしていると雨が降ってきた、雨具を準備して暫く様子を見て出発する。今日は
約21Kmなので幾分気が楽である。道路(C-26)に出て道路脇を歩き始めると朝の通勤の為か
かなり交通量が多くスピードを出して走っているので恐ろしい様です。昨日に役場の担当者も道路
を暫く歩くと巡礼路は左に入るので、そのままAlfrarásまで歩かないようにと言っていました。
巡礼路は道路から農道になり暫く歩くと運河(Canal Argerri-Balaguer)に出ました。ここまで
雨で道が悪かったので運河沿いの道は快適です。
運河沿いの道は延々と1時間程度続き幸いにも雨は小降りになって次第に止んできました。
ノゲラ・リバルゴサナ河(Rio Noguera Ribargozana)の橋を渡りAlfarásの街に入り、Barが
あったのでコーヒーを飲んで休憩をする事が出来ました。
休憩を終えて街から暫く登って行くと前方の道路を跨いで水道橋があり運河(Canal Aragon
Catarunya)とウエスカ(Huesca)州の看板がありました。広かったカタルーニャ(
Catarunya)州からウエスカ(Huesca)州に入ります。
水道橋の脇から再びトウモロコシ畑の巡礼路に入り道標も無い単調な道を2時間(約7.5km)歩き
ましたが誰にも会わず静かな道で快適でした。
巡礼路脇の林に別荘の様な庭と建物がある所を過ぎるとErmita de San Rocが建っていました。
建物は比較的高く双翼の無いシンプルな作りです。建物脇の看板には1541年の建設でサンティアゴ
巡礼の主要な教会であったと記されていました。
やがて薄日も射してきて快適な天気になってきましたが、ここから1時間程でタマリテ・デ・リテラ
(Tamarite de Litera)の市内へ着きました。道路(A-140)を渡り通りに入ると市内の地図が
あり巡礼路のルートやアルベルゲも記載されていましたので街を登って住宅街の所で聞くとアルベル
ゲは役場(Ayutamient)が受付との事で広場(Plaza España)へ戻り役場の入口にあるPorocia
Rocalでアルベルゲの利用をお願いしました。
受付でクレデンシャルにスタンプを押してもらうと親切にも警官がアルベルゲまで案内してくれカギ
を開けて部屋やシャワーの利用方法等を説明してくれました。
建物は公共施設にも使用している(後で上階はモスクになっている事が分かりました。)様ですが
部屋は比較的清潔でした。
タマリテ・デ・リテラ(Tamarite de Litera)はレコンキスタで1064年に街を奪還してから中世
ではアラゴン州の主要な町として発展したとの事です。また運河(Canal Aragon Catarunya)の
建設にも関わりが深く、1834年に建設が決定してからこの街の政治家 Joaquín Costaの努力により
完成したとの事です。
昼食を食べ近くのスーパーに朝食のパンやジュースを買いに行って午後はゆっくりしていましたが、
今日もオランダ人夫妻と3人+犬で泊まる事になりました。
Canal Argerri-Balaguer(運河) | アルファラス(Alfarás)への橋 |
Canal Aragon Catarunya(運河) | 広大なトウモロコシ畑 |
Ermita de San Roc | タマリテ・デ・リテラ(Tamarite de Litera) |
*この行程の注意事項、コメント
① アルゲリ(Argerri)から道路(C-26)へ出るとアルファラス(Alfarás)への道標がありそのまま
道路沿いに歩けるが交通量も多く歩道は無いので、1Km程度の所から農道へ入ります。
(道標あり)
② 途中のアルファラス(Alfarás)にBarがあるので休憩が出来ます。その他は農道で途中に何もあり
ません。
③ タマリテ・デ・リテラ(Tamarite de Litera)のアルベルゲは受付のPolicia Localで料金は取り
ませんがアルベルゲ内にDonativoを入れるポストがあります。
タマリテ・デ・リテラ(Tamarite de Litera)からアラゴンの道(Camino Aragonés)のサング
エッサ(Sanguesa)までは下記を参照下さい。
カタルーニャの道:サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ経由
(Camino Catalán por San Juan de la Peña) その2 へ